わたしは桜を必死に探した。そして、弓道場の裏手でついに発見した。
「桜!!」
「遠坂先輩……」
「桜。留学の話はまだ正式に決まった訳じゃないの。だから……」
「遠坂先輩、いいですよ。わたし、先輩と遠坂先輩が付き合っているのは知っていましたし、留学の話だってよく考えれば当たり前のことですよね。それにわたしは、先輩と遠坂先輩はお似合いのカップルだと思いますよ。絶対幸せになれます。だから、わたしのことを気にする必要はこれっぽっちもないですよ」
「桜……確かにわたしは士郎を愛しているわ。でも、桜から士郎の全てを奪おうとは思っていないわ。わたしは士郎を幸せにする。だけど、士郎を幸せにするには貴女が必要なの。だってわたしたち……」
「それ以上は言わないでください。先輩は遠坂先輩がいれば十分幸せになれますし、遠坂先輩も幸せになれます。それにわたしは、間桐桜ですから」
 桜……そんな………
「では遠坂先輩、わたしはこれで失礼します」
「待って桜!!」
「さようなら遠坂先輩。お幸せに………」
「桜!!」

 どうして

「うっ……ああっ……あ……」

 士郎……どうしよう………

 

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