遠坂と背中合わせに座ってから30分が経った。
「ありがとう、士郎」
  恥ずかしそうに遠坂が言った。
「どういたしまして。さてと、ちょうど昼飯の時間になったな。弁当でいいよな?」
「ええ」
「よし。今持ってくるから少し待って…っ!」
  唐突に全身を激痛が走った。
「どうしたのよ、しろ…痛っ!」
「なんだ!?」「なに?」
  声が重なって遠坂と顔を見合わせる。
「士郎、左手の甲!!」
  自分の左手の甲を見てみると、見覚えのある紋章のようなものが浮かび上がっていた。
「令呪か?」
  あまりにも突然の出来事で、脳の情報処理能力が追い付いていない気もしたのだが、俺が自分の左手の甲に現れている模様を分析した限りでは、令呪に間違いなかった。
「うそ…わたしにもある。」
  確かに遠坂の右腕を見ると令呪らしき模様がくっきりと浮かび上がっていた。
「包帯買わないとまずいな」
  訳が分からなくなって、無意識のうちに俺はそう呟いていた。
「何馬鹿なこと言ってるのよ」
  怒られた。
「それにしてもどうして令呪が発現してるんだ?」
「知らないわよ!!」
  怒鳴られた。
「また聖杯戦争でもはじまるのか?」
「だから知らないって言ってるだろうがぁぁぁぁーーーー」
  激しく怒鳴られた。

 

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