「落ち着いたか?」
「落ち着いたわよ」
  まぁ、突然発現した令呪を見て取り乱すのは仕方がないが、遠坂のあまりの形相にここ2・3分生きた心地がしなかった。
「それで改めて聞くけど、どうして令呪が現れたんだ?」
「それが本当に分からないのよ」
「そもそもこれは本物の令呪なのか?」
「間違いなく本物よ。魔力の流れを感じるし、感覚自体があのときと同じだもの」
  確かにそう考えると本物だと判断せざるをえない。
「それなら、また聖杯戦争がはじまるってことか?」
「普通に考えればそうだけど、いくら何でも間隔が短すぎるわよ」
「そうだよな。なぁ、そもそも聖杯戦争ってどうやって起こるんだ?」
  俺は聖杯戦争のことを知っているようで知らない。この際だから聞けることは聞いておこう。
「そうね。ここで聖杯戦争のおさらいをするのも悪くはないわね。もしかすると何か分かるかも知れないし」
  遠坂はどこからともなく眼鏡を取り出して、講義モードに突入した。

 

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