そして書かれた黒板にはこうあった。
・100メートル走
・綱引き
・クラス対抗リレー
・借り物競争
・玉運び
・障害物競走
・二人三脚
そしてこれはなんだ?
・お姫様抱っこリレー!?
書き終えた後に一成が俺を見て、ため息をついた………俺がなんかしたっけ?
「以上が、今回の体育祭の種目だ。あと、最後のものは、今回募集した生徒の特別種目だ、反論は聞かん、以上!」
そして、俺らは話し合いになった。
「そんで、衛宮はなににでるんだ?」
「そうね、士郎。今日の朝も聞いたときは誤魔化されちゃったし」
「ああ、俺か………俺は」
「あ、そうだ一言言い忘れてきたが、体育祭で優秀な成績を残したクラスは、俺も聞かされてないんだが学校側からなにか賞品があるらしいぞ」
一成がそう言うと、なぜかクラスの大体のメンバーの目が光った、てか・・・・・・藤ねえが一番光っている。
「ふん、おい総務委員、僕をクラス対抗リレーに入れといてくれ」
慎二が勢いよく手を挙げていた、まあ運動神経はいい方だから
「はい、採用!!」
藤ねえがすぐに決定させた。そして100メートル走は陸上部の蒔時になった。綱引きは大体の男子が入った。障害物競争では……
「あっそれ、あたしがやるよ」
意外にも美綴が手を挙げた。
「あら、綾子。意外ね」
「なに、部活も引退したしね。なんかに参加した方がいいじゃない?」
そしてどんどん黒板に名前が挙げられて、そして残ったのが。
「うんうん、残りはクラス対抗が二人と、二人三脚、それと借り物競争と………お姫様抱っこリレーだな」
いやいや、なんでその最後を言うとき俺を見るんだ、一成。
「それじゃ、柳洞くん。わたしは、借り物競争に出ようかしら?」
「な、なに。め……遠坂が………」
「はいは〜い採用ね。あと、遠坂さんはこれもやってね」
そして、藤ねえが黒板に、遠坂の名前を書いた………お姫様抱っこリレーに。そしてそれを書いた瞬間に、一斉にクラス全員が俺の方を向いた。
「わ、わかったよ、やるよやりますよ」
もう……………やけです。
「そうか、助かる。後は………二人三脚と対抗リレーか。うむ、俺も入っていなかったな」
そして一成は、対抗リレーに入った。そして慎二が……。
「なら、後は衛宮が対抗リレーに入ればいいじゃないか」
「いいこと言うじゃない、間桐君。そうね、というわけで士郎もそれに入れておいて」
「あ…………はい」
藤ねえに言われ、一成は俺の名前を対抗リレーの欄に書く。一成の目線は“すまない、衛宮”と語っていた。
そして、残りは二人三脚。
「なら、あたしが入ろうか、柳洞?」
「美綴、頼めるか?」
「ああ、いいよ。ただ、相手は生徒会長殿とがいいんだけど?」
うわっ、その顔は赤い悪魔と同じ顔………
「ん?分かった、それでは俺が入ろう。これで全員入っているな。藤村先生、全員エントリーしました」
これで、全員決定した、まあ俺が出るのは、クラス対抗リレーと………お姫様抱っこリレー。はぁ〜
“キーンコーンカーンコーン、キーンンコーンカーンコーン”
あ、一時間目が終了だな。
「は〜い、それじゃあ、皆、頑張っていこう!!」
そしてトラは………消えていった。
「なんなのかしらね、一体」
「凛、藤ねえの脳内を理解するのは不可能に近いぞ」
「それも、そうね。だけど士郎が対抗ね〜。楽しみにしてるわよ」
いやいや、凛。どちらかというと俺はおまえと一緒にやるお姫様抱っこリレーの方が不安だよ。
「お、ご両人は、今日の献立か?」
「あら、それはどういう事かしら、綾子」
「なに、あんたらが、あの伝説の廊下キスから、まったく周りを気にせずにいちゃつき始めて、早三ヶ月。噂じゃ、夏休みも色々あったそうじゃないか?」
「あら、別に士郎はわたしの物なのだから、いいじゃない。それに別に他人の目なんて気にしないし。ね士郎?」
「俺は少しぐらい…………なんでもありません」
こわいこわいこわいこわいこわい。あの顔は怖い。
「衛宮も大変だな。それと貴様が競技に出るとは、当日雪でも降りはしまいな?」
「あら、柳洞くん。わたしが出るのはいけないのかしら?それにわたしの夫が出るのよ、それを妻として当然、出なくてどうするの?」
て!!おいおい、いきなりなにを
「く、く、く。衛宮、ホント大変そうだね〜僕も同情はしていてやるよ。それと廊下にいるあの一年、お前に用らしいぜ」
そして、慎二が俺らの話に入ってきたのだが、なんでも俺に用がある、なんだろう?
Side 凛
またか…………
「お〜い遠坂、顔が怖いぞ」
「うるさいわね、綾子。どうせ弓道部の子でしょ、大体慎二が士郎を呼ぶときなんて最近じゃそれしかないじゃない」
「まあ、まあ、うちの顧問を黙らせるために、衛宮が弓道部の手伝いをするって言ったんでしょ?けど不思議だよな、弓道部の手伝いはするのに、弓は一向に引いてくれないのよ。偶に桜にアドバイスをしていて、最近じゃ生徒顧問だっていうのにさ」
やっぱり士郎は弓を引かないのね、ふふふ、まあそれはわたしが駄々をこねた…………相談した結果なんだけどね。あれはわたしだけの士郎の顔なの。最近ますます、かっこよくなちゃったって。まあわたし的にはうれしさ半分、憎さ半分なんだけど。
「うむうむ。衛宮は本当に僧の手本になれそうだな」
なに、狙っているのよ、あの生徒会長。
「お〜い、遠坂。はぁ〜聞いてないよ。」
今日も今日で遠坂凛は、二年間築き上げた、優等生キャラを壊していった。
Side out
「ああ、それじゃあ」
弓道部の事で話が終わり、俺が戻ると
「あ、あれ、り、凛?」
そこには赤い悪魔、改め赤いゼウスが居た。
「あら、終わったのかしら、衛宮くん?」
「あはは、あはははははは」
そして俺は赤いゼウスに連れられて行った。
「遠坂、残り五分だからな」
後ろから美綴の声が聞こえた…………はぁ〜。
今日も今日で、衛宮士郎は、最愛の人に屋上へと強制連行されるのであった。