《I am the bone of my sowrd.》

  剣戟の音が駐車場に響き渡る。
「――――――――――!!」
 バーサーカーの怒濤の攻撃を、セイバーが華麗に往なす。
「確かに力量でいえば貴方のほうが上かもしれないが、剣筋が単純すぎる。それでは私を捕らえられない」
  セイバーは決して自分から攻めようとはしない。それでも逃げることなく全ての攻撃を受け止めていた。

《Steel is my body,and fire is my blood.》

  バーサーカーは一方的に攻め続けている。しかしセイバー、必要最小限の動きで攻撃を回避していた。
「バーサーカー、セイバーに構っている必要はないわ。シロウをやっちゃいなさい」
「――――――――――!!」
  イリヤの一言で戦局は急変した。セイバーに向けられていたバーサーカーの剣先が俺の方に向けられる。バーサーカーはセイバーを余所に俺に向かって突進してきた。
「くっ!そうはさせません!!」
  これまで受けに回っていたセイバーが転じて攻撃に移行する。しかし、サーヴァント中では最強クラスの防御力を誇るバーサーカーである。いくらセイバーの打撃をもってしても、バーサーカーに多少の隙を与える程度にしかならない。形勢は一気に逆転していた。

《I have created over a thousand blades.》

  バーサーカーは尚も前進を続けてくる。正面に立ち、バーサーカーの進行を阻止しようとするがじりじりと後退させられていた。

《Unaware of loss.Nor aware of gain.》

「嬢ちゃん、オレの治療はこんなもんでいいぜ。嬢ちゃんは結界の維持に集中しな」
  見ればランサーの怪我はまだ酷い状態である。
「わかったわ。戦うからには絶対にやられるんじゃないわよ」
「そんなこたぁ、あたりめぇだ」
  ランサーは怪我していることを露とも感じさせない迅速の走りでバーサーカーに向かって行った。

《Have withstood pain to create weapons.Wating for one's arrival.》

  三者の攻防が繰り返される。バーサーカーが強行な突破を試みるが、セイバーに行く手を阻まれ、ランサーが加わったことでなかなか前進できずにいる。
「なにやってるの、バーサーカー。早くシロウを殺しちゃて」
「――――――――――!!」
  バーサーカーが無造作に斧剣を振り下ろす。セイバーとランサーはそれを避けるべく左右に回避した。その瞬間、バーサーカーの視界には敵がいなくなった。

《I have no regrets.This is the only path.》

「────────────────────────────!!」
 バーサーカーが目前まで迫り、斧剣が振り下ろされる。
「くっ…………士郎、急いで!!」
 遠坂が必死に結界を維持している。しかし、バーサーカーの攻撃力をもってすれば結界が破られるのは時間の問題である。

 しかしながら、時は満ちた。

《My whole life was“unlimited blade works”.》

 世界は塗り替えられる。

 

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