目を覚ますと、そこにはエフィさんの顔があった。
「あっユウゴさん、大丈夫ですか?」
「エフィさん……、俺はいったい?」
「おっ、勇者が目を覚ましたぞ」
 ディオネさんとフローラさんも近寄ってきた。
「あれ?アレカは……」
「アレカさんはこちらですわよ」
 どうやら俺はベッドに寝かされていたようで、その枕元には洗面器が置かれ、水で濡らしたタオルを持ったアレカが座っていた。
「……ふん」
 俺と視線が合うと、アレカはそっぽを向いてしまった。
「あの……アレカさん……」
 アレカの態度には、ばっちり心当たりがあった。俺は、アレカのあられもない姿を目撃してしまい、あろうことか不適切な発言までしてしまった。自業自得といえば、まさにその通りだった。
「……なによ」
「ごめんな……それと、看病してくれてありがとう」
 ただ、アレカがきゅっとタオルを握った姿を見て、なんだか感慨深い感情が胸にこみ上げてきた。
「別に、ユウゴを心配して看病したわけじゃないんだから」
 すごくアレカが可愛らしく見えた。
「ユウゴも目を覚ましたみたいだし、あたしらはそろそろ帰ろうかね」
「そうですね。お二人のお邪魔をしては、迷惑でしょうし」
「ユウゴくん、お大事にね」
 そう言って、三人は部屋を去ってしまった。俺とアレカだけが部屋に残される。
 そして、しばらくの間沈黙が続いた。
「……ねぇユウゴ。わたしの裸、見たの?」
 アレカはそんなことを俺に聞いてきた。
「えっ、ああ……ごめん」
「……ユウゴのエッチ」
 頬を染めたアレカが一言、そう呟いた。
「アレは仕方がないじゃないか、第七誓約の所為でだしさ…」
「わかってるわよ……だから、アンタのことを責めたりしないわよ」
 アレカが少し声を荒げてそう言った後、俺のほうに向き直った。
「でも、わたしの裸を見た責任は取ってもらうから」
 アレカさん……話が矛盾してます。

 

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