薫子たちがリビングに戻ると笑顔のお姉さま方と段ボールの山が迎え入れた。
「……えっと、この段ボールの山はなんですか?」
「……ん?もちろん、これから薫子が受けるお仕置きの道具」
「はい?」
「忘れたとは言わせないわよ。皆に迷惑かけといて」
 口元を吊り上げ、まりやが不適な笑みを浮かべた。
「この服、本当は瑞穂ちゃんの為に用意したんだけど、薫子にもあげるわ」
  まりやは段ボールを開封すると、フリルがふんだんにあしらわれた可愛らしい洋服を何着も取り出した。
「まさか!こんな服、あたしには似合いませんよ」
「こんなとは失礼ね。この服結構高いのよ」
  値段のことを言われ、押し黙る薫子。実は、まりやの母親がまりやに買ってきたものだが、あまりのフェミニンぶりに一度も袖を通していないという服なので、お金は一銭もかかっていない。むしろ、まりやが母親に教えている服のサイズは、瑞穂のサイズなので、はじめからまりやが着る気など全く無いという代物である。
「まぁまぁ普段から着ろなんて言わないから、貰えるものは貰っておきなさいよ」
「それならいいですけど……」
  まんまと言いくるめられる薫子。
「さぁ、というわけで……」
  まりやの考えるお仕置きがただ服をあげるだけで終わるわけがなかった。
「薫子と瑞穂ちゃんの世紀のファッションショーを始めるわよ」
「「はい?」」

 

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