夜明け前より瑠璃色な
-Eternal Shining Star-

 禁断という言葉には魅力がある。やってはならぬと理解していても、心のどこかで渇望している。恐怖と欲望が葛藤している。禁じられているからこその、未知への憧れ。禁断に魅せられた者は、その道が絶望と苦難に満ちあふれていると知りつつもパンドラの箱を開けてしまうのである。
 畏れがないわけではない。平安を嫌っているわけではない。しかし、禁断の扉の先により良き未来があることを夢見て、人生の勝負にでる者達がいる。
 
 愛や恋という衝動は、我々人間にとっての根源的感情である。愛には様々な形があるにせよ、全人類に普遍的な感情である。人類の繁栄にも関与する、人間にとって大変重要な情動なのである。

 人類の歴史が積み重なっていく中で、禁断の愛という概念が出来上がった。身分の差、同性愛、近親での愛、浮気、………。時代・世代・文化を越えて、禁断の愛は数多く存在する。

 朝霧達哉は、十二年に両親が養子として引き取った義理の妹である朝霧麻衣と恋に落ちた。兄妹として十二年間も過ごしてきた彼らが、血の繋がった兄妹ではないことを知る者は、誰もいなかった。しかし、それでも二人は惹かれ合ってしまった。今まで築き上げてきた家族の関係が崩れるかもしれない恐怖と向き合って、強い意志を持って恋人同士になった。従姉のさやかに秘密を打ち明け、紆余曲折を経ながらも、二人の関係を認めてもらった。今では周囲の人々に認めてもらいつつある。

 しかし、二人の苦難は始まったばかりだ。禁断の愛を貫き通すと誓った二人の行く手には、数々の試練が立ちはだかっていることだろう。

それでも二人は前を向いて歩き続ける

その先に幸せがあることを信じて…

夜明け前より瑠璃色な
-Eternal Shining Star-

木漏れ日に導かれて

 

 

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